主人公がいい。

人間は会話で出来ている。

無邪気に、写真にあるグラマラスな女性を指名した。

 

https://flic.kr/p/5EDSdH

 

 

「写真撮影のときでもメガネを外さない女性は苦手なんですよね。」

 

 

パソコンの共有フォルダに格納されている社員の写真を上司と眺めていた。

 

 

「だって、写真って画像として後に残るもんじゃないですか? にも関わらず、アクセサリーとしてはわりかし邪魔なメガネを外さない人ですよ?」

 

 

お泊り会のときにやる、この中で誰が可愛いかいっせのせでやろうぜ的な若いノリでお互いの距離を縮める。

 

 

「こういう人って2パターンあって、メガネが似合いすぎて病的にメガネが好きな眼鏡患者と私別に女として見られてないし今更眼鏡とかわざわざ外すの面倒くさいからいいやっていう機能主義な人。」

 

 

好みのタイプを探しつつ、目に止まったのは一切笑っていない20代後半の女性。

 

 

「で、前者であればフレームは赤が一般的ですね。赤フレームの人は眼鏡ラブな人って判断で大丈夫だと思います。問題は後者ですよ。」

 

 

「なんで女性としてのお洒落を諦めちゃってるんですかね? 女性って男性と違って、お洒落の幅が広いし、努力次第では美女にも可愛いにもなれると思うんですよ。だってKAWAIIは作れる、ですよ? それでも美の追求を諦めちゃってるやさぐれ系女子は、自分はやっぱり苦手です。」

 

 

別の部署の写真フォルダを開く。

 

 

 

「女性には美を追求してて欲しいですもん。」

 

 

 

上司は、無邪気に、写真にあるグラマラスな女性を指名した。